interview

インタビュー

株式会社 DRC
YUJIRO KANIE
株式会社アイレップ
TOMOMI NAKANO

中野 知己 TOMOMI NAKANO

株式会社アイレップ 
ソリューションビジネスUnit
サーチエクスペリエンスDivision
Divisionマネージャー
2016年に株式会社アイレップに入社。金融
/求人/不動産/自動車/医療/
保険系ポータルサイトなど幅広い業種のサイトにおいてSEOを行い、
数万を超えるテールワードの上位表示率80%超を実現するなど高い実績をもつ。
保険業界にクローズアップすると現在、自動車保険上位4サイト・生命保険上位
3サイトに対するコンサル経験があり、単ワード・幅広いテールワードの上位表示
を実現。

蟹江 佑二郎 YUJIRO KANIE

株式会社DRC最高知識責任者
2007年からWebマーケティング全般のコンサルティングに従事。
不動産/人材/旅行/結婚/グルメ/医療/金融業界のプラットフォームから
中小企業のWebサイトなど多種多様な業態業種のSEOによる集客支援を実施。

現在は株式会社DRCでCKO(最高知識責任者)をおこなうかたわら、
国内最大手の事業会社にてコンテンツマーケティングのインハウス化に向けた業務
設計をおこなう。
昨今、DX(デジタル・トランスフォーメーション)について、いろいろと議論されている。
コロナ前後によってサービスのありかたも大きく変化があり、その議論や重要性についてはさらなるものとなっている。
これから、企業はDX(デジタル・トランスフォーメーション)とどう接していくべきか、目的をどこに設定すべきか?

アイレップにてデジタルマーケティングの第一線で活躍する中野知己氏と
DRCでCKOを務める蟹江氏が語りあう。旧知の中でもある二人は、どんな答えをもっているのか。

DXってデジタル化したほうが効率の良い部分はデジタル化しましょう、
というシンプルな答えがあると思っています。

蟹江: お久しぶりです。本日は重たいテーマなのですがよろしくお願いいたします。

中野: こちらこそよろしくお願いいたします。本当にテーマ大きいですよね(笑)
ですが、常日頃から接点のある内容ですので、楽しみです。

蟹江:僕も以前はDXってすごく大きいもの、難しいものととらえていたのですが、
単純にとらえるようになりました。
DRCの代表も言っていたのですが、
「長期保存できるように冷蔵庫ができた、超DXだって」(笑)
でもその観点でクライアントとお話するとすごくわかりやすいですよね。

例えば、クライアントから
「商品が売れなくなってきたのでDX化を推進していきたい、〇〇ツールを導入したい」
というご相談は以前からよくいただくのですが
「あれ?寒冷地なので長期保存は普通にできているな、冷蔵庫が今すぐに必要かな?」
みたいに考えて、まず必要性から徹底してヒアリングし整理するようにしています。

競合が実施している、などで目的やゴールが「DX化」にスライドしている
ケースがすごく多いんですよね。

以前は<複数のシステム接続が絡むから事故が起きないようにプロジェクト進行しないと!>
と、ゴールありきで考えがちでした。ゴールや目標は顧客と目線があっている、あっているから要件定義もズレない、
しかし導入後にうまく機能しない、というケースを実経験した結果です。

中野:すごくわかります。
DXってデジタル化したほうが効率の良い部分はデジタル化しましょうという
シンプルな答えがある
と思っています。

その時点でその企業に必要なければ、例えばデジタル化したことで
局所的に長期の教育など大きな業務負荷をかけてしまうことが想定される場合にはやらないほうが良いと思います。
まずはデジタル化の必要性について、企業の現時点の強み弱み、将来的な強み弱みを正確に
把握して臨むことが最も重要と考えます。

蟹江:そうですよね。DXを推進していくと確かに効率化できるところってすごく多いですよね。
書面のOCR化であったり、既存データのDMP構築だったりで
「今まで5時間かかっていたものが1時間で作業できる!」みたいな感じに。

その反面、副反応的な事象も多く起きるんですよね。いままで5時間かかっていた作業が
1時間に集約されてはいるのですが従業員が働く時間はそこまで変わっていない、と(笑)

効率化された分、データが集約されてデータ自体の品質が向上されているケースが多く、
機密性が高く扱いが難しかったりするのですが、そのデータを相手に労働時間が
今までと変わらないとなると、作業者のプレッシャーって実は相当高く重い。
単に効率化だけではなく、こういった部分も含めてDX化は考える必要があって、
一部署のサービス改善ではなく実は全社課題なんですよね。

技術的な問題よりも「どう使っていくのか?」
が最も重要なテーマ

中野:おっしゃることすごく共感できます。
DXに必要な技術やツールは大抵のものは準備できるステージにあると思っていて、
もっと言えば現状にない技術課題にもサービスの組み合わせでほぼ、解決が可能です。

つまり、 技術的な問題よりも「どう使っていくのか?」が最も重要なテーマだと思っています。
「どう使っていくのか?」はクライアントや開発企業と一緒になって考えていく必要があると思います。

わたしは企業のDX化について、技術的な側面がありつつも、その本質は「知る」ことだと考えていて、
すごく単純な例でいうと「ツールは非常に便利だが使用には高い知見が要求される」
ということを知るだけでもいいんです。

導入してから考えていたものと違ったとかではなく、デジタル化されたことの効果効能を
プラス面でもマイナス面でもまずはシミュレート含め知ることが重要であり、
そのために私たちコンサルタントがいる。企業DX化の橋渡し的な役割を担っていると思っています。

蟹江:すごく良い考えですよね。
人間自体がデジタル化されない限り、DX化において「知る」というのはとても有効です。
また、中野さんがおっしゃるように私たちから「わかりやすく伝える」ということも
非常に重要です。

中野さんはDX化についてお伝えするときに、どんなところを心がけていますか?

中野:単純で当たり前のことなのですが、「適当な事を言わない」です。
DXって企業の期待値が高い場合も半信半疑な場合もありますよね、
その際に「事実としては実現可能だが現実的ではない」というケースは濁さずお伝えします。
期待値調整で場当たり的に良さそうなことを言うのではなく、
企業が目標としている環境に向けて必要な物事を正確にお伝えしています。

また、例えば顧客の領域横断プロジェクト、みたいなときには
領域によってメリット・デメリットが異なるので、画一的にならないよう全社課題とは別に
その領域ごとにしっかりとメリデメをお伝えして推進していくことを心がけています。

蟹江さんはどんなところを心がけていますか?

蟹江:ほぼ中野さんと同じですね、適当な事をいわない、わかりやすく説明する、です。

あとは、「わかりやすい=知見がせまい」とならないよう、情報のキャッチアップだけは怠らないようにしています。
いまどういう技術が進んでいて、どういったところにクリティカルに対応できそうか、ということは常にインプットするようにしています。

自分たちはどうなりたいか?」と企業は考えがちなのですが、新たな技術情報などを持っておくと
「本来どうあるべきか?」のステージ拡張させた視点からサポートすることができます。
これは大きなアドバンテージだと考えます。

他はBPO業務を強化しましたね。
企業からの外注要望が高くなってきたので、コンサル+レクチャーをおこない企業側での内製化を推奨しています。
少しサポートさせていただきますが、その会社で必要なものは、やはりその会社ができるようになるべきと考えます。

中野:ありがとうございます。DXは新しい技術情報に取り組んでいきますので、
トライ&エラーの連続だと思います。ライバルであり友人が同じように取り組んでいるのが心強いです。
色々はなせて楽しかったです。ありがとうございました。

蟹江:わたしも中野さんの良きライバルであり友人でいれるよう頑張ります。
本日はありがとうございました。

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